副業としての不動産投資を考える

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今や不動産投資は、一部資産家や高額所得者だけが行う資産運用方法ではなくなっており、ごく一般的な給与所得者(会社員)が、副業として行えるものになっています。とはいえ、本業に影響しないでできるのか、資産が大きく目減りするようなリスクはないのかなど、気になることは多いものです。特にこれから不動産投資を始めようとお考えの人は、そのあたりをきちんと押さえておくことが大切です。

副業としての不動産投資を考える

 

多くの人は、労働による対価として生活に必要な収入を得ており、これを本業としています。つまり勤労所得により暮らしているわけです。これに対し、銀行預金の利息や株式の配当、物権の売買による差益など、労働することなく手に入る収入のことを不労所得と言います。不動産投資によって得られる売却益や家賃収入も不労所得に入ります。

 

では、会社員の副業という観点で不動産投資を見ていきましよう。まず本業がおろそかになっては本末転倒ですので、手間や時間がかからないことが重要な条件になります。その点、不動産投資は、対象物件の候補選びは不動産ポータルサイトなどを利用すれば、夜間や昼休みなど仕事の手が空いている時間にいつでもできますし、土日を使ってめぼしい物件の内覧もできます。実際の賃貸物件経営については、管理・運営の実務は不動産管理会社に業務委託してしまえば、オーナーにはほとんど手間がかかりません。言い方を変えれば、素人のオーナーには、入居者が満足する不動産管理業務を行うことはほぼ無理なので、最初から管理会社に任せるつもりでその経費を投資資金に算入しておくべきでしょう。

 

こうしたことから、会社員の副業として不動産投資が選ばれていると考えられます。また、本業が安定している会社員は、金融機関のローン審査に通りやすい傾向があります。これは、不動産投資を始めるに当たって、入りやすさの一つの理由になっていると思われます。

不動産投資のさまざまな魅力

契約

 

不動産投資には、不動産売却益や家賃収入を得ること以外にもさまざまな魅力があります。

 

【ミドルリスク・ミドルリターンのメリット】

まず、不動産投資は基本的にミドルリスクだと言われています。例えば土地の価値が急落し、いきなり半値に落ち込むなどということがほぼないこと、建物も経年で徐々に価値が目減りしていくものであること、つまり価値の変動が緩やかだというのがその理由です。これは一つの大きなメリットと言えるでしょう。

 

一方で、不動産投資はミドルリターンでもあります。理由はミドルリスクであることと同じです。しかし、賃貸経営をするときに、きちんと損益分岐点を把握して黒字経営が行えるならば、例え利幅は大きくなくても長い目で見てメリットがあります。

 

将来受給する年金の額に不安を持つ人は、家賃収入によるプラスの収入分を、老後の生活資金として貯蓄に充当することができます。

 

【生命保険としての効用】

投資資金を金融機関からの融資で賄う場合、「団体信用生命保険」への加入が条件になります。団体信用生命保険に加入すれば、当然保険金の支払いが発生しますが、もしも契約者がローンの返済途中で死亡したり高度障害に陥ったりした場合、保険からローン残債が支払われるシステムになっています。遺族には無借金の投資物件が残り、家賃収入もそのまま引き継がれることになります。これが、不動産投資の生命保険としての効用です。

 

【さまざまな節税対策】

不動産投資で得られる不動産所得と本業の給与所得は損益通算することが可能です。仮に、不動産投資で赤字が発生した場合、その赤字分は給与所得から差し引いて所得税が課税されます。つまり課税対象額が小さくなるという節税効果が得られるわけです。しっかりと確定申告することで、所得税の還付と住民税の軽減措置を受けることが可能です。

 

ただし、帳簿上の赤字により節税効果を見込んだとしても、減価償却費やローンの利息分といった経費は減っていきますし、そもそも赤字の状態が続くというのは事業上正しい形とは言えません。節税の一方で資産を減らさないように、キャッシュフローの確認をきちんと行う必要があります。

 

また不動産投資は、相続税対策としても大きな効果を発揮します。現金をはじめ金融資産は、額面に対し100%で相続税が課税されますが、不動産は相続税評価額が時価よりかなり低く算出されるので、相続税額も大幅に減額できるためです。

不動産投資のリスク

 

最後に不動産投資のリスクを見ていきましよう。

 

【空室・家賃滞納リスク】

賃貸経営の場合、まず入居者が入らない「空室リスク」と入居者が家賃を支払ってくれない「滞納リスク」があります。空室リスクはどんな物件にも常に存在するリスクですが、これを回避するためには、まずは投資物件を探す段階で、入居者にとって魅力的な条件がそろったものを選ぶことです。購入後については、状況に応じ対策を講じていくしかありません。

 

滞納リスクは、起きてしまうとなかなか面倒な問題です。対応策は、まず入居審査を適正に行うことでしょう。それでも起きてしまう、またはオーナーチェンジで入居者を選べない場合の対策としては、管理会社との契約に「家賃保証」を加えておくことが挙げられます。

 

【建物損壊リスク】

地震や水害、火災といった災害により、建物が損壊するリスクです。大きな天災による被害を防ぐことはほぼ無理ですが、もしものときの対策として、保険に加入しておくことは必須です。また、燃えにくい建材を使っている物件や路面から上がった土地に立つ物件を選ぶなど、災害リスクを減らすための事前の回避策は考えられます。

 

【流動性リスク】

不動産は株式や金融商品と違い、換金性が低いという特性があります。売ろうと決めても、実際に買主が決まって売買契約が成立するまでには、かなりの期間を要します。これを「流動性リスク」と言います。しかし、売却益を得るための購入・転売が目的ではなく、家賃収入目当ての長期投資を行うならば、実際には換金できないことで大きな問題とはならないでしょう。

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